『ラ・ラ・ランド』はゴールデングローブ賞では歴史的快挙となる史上最多の作品賞を含む、7部門を受賞、監督は監督賞最年少受賞となりました。アカデミー賞ノミネートでは最多の14ノミネートと、今年のアカデミー賞大本命、極上のミュージカルエンターテイメント作品.
今回、デイミアン・チャゼル監督と主演のセバスチャン役のライアン・ゴズリングさんが来日。その模様をレポートします。

『ラ・ラ・ランド』は愛を込めて作った作品

ラ・ラ・ランドの画像
© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.
デイミアン・チャゼル監督は、「初めての来日です。ライアンは二度目ということで二人とも日本には新しいのですけれど、ものすごく素敵な歓迎をいただきまして、うれしく思っております。この映画は本当に愛をこめて作りました。いろいろな国、特に日本で見ていただけることができてとてもうれしく思っております」とあいさつ。

ライアン・ゴズリングさんは、「日本にこれてとてもうれしく思っております。特にこの作品、『ラ・ラ・ランド』という作品で来れたというのは特別な思いです。というのも日本の方はとてもロマンチックでミュージカル好きだと言うふうに聞いております。ぜひこの映画を楽しんでいただければと思います」

アカデミー賞14ノミネートの感想は? と聞かれ、監督は、「まだショックが抜けていないのですが、とても光栄なことだと思っております。ニュースを聞いたときは、ライアンと同じホテルにおりましたので、シャンペンで一緒にお祝いをしました。特別だと思うのは、先ほども申しましたが、心をこめて、チームがひとつとなって作りました。それぞれが限界を突破するように頑張って作ったので、そういった人たちがノミネートを受けることで認められたということはとてもうれしく思っております」と答えました。

ライアンさんは、「映画自体を作ったことが、賞に値すると思えるほど特別な作品なんです。観客の反応もとても嬉しいもので、当たっているということも賞を与えられたようなものです。その上、ノミネーションを受けたということは、全く予想していなかった部分です。監督が言ったように、映画というのはチームで作るものです。たいがいは一人二人がノミネーションを受けるものですが、今回は大勢の人が認められたということはとても感慨深いです」とのこと。

ノスタルジックにしないこと、共感できるものにすること

この映画を作るに当たって、どのようにビジョンを確立したか、確立する上で難しかったこと、大変だったことは何ですか? という問いに監督は「この映画は作るまでにとても長いプロセスがあって、時間もかかったんですけれど、私にとっても映画にとっても、鍵になった瞬間がありました。それはライアンに出会ったことなんです。ライアンもミュージカル好きということで盛り上がりまして、エマも入ってきました。それから三ヶ月間探索をしました。と同時に、映画の準備も同じ場所でしてました。ライアンやエマや他の人たちがスタジオでダンスの練習をしているときにその近くで、セットを作っていました。文字通り同じ場所で築き上げていったという感じです」

ライアンは「私たちが一番話し合ったのは、このスタイル・ジャンルというものをあまりノスタルジックにしないということでした。いかに現代的にするか、今の人たちが共感できるものにするか。これはキャラクターに関しても同じで、あまり演劇的にしないということ。同時にダンスをしながら空に舞い上がっていくような、空想的な部分もありますので、バランスをどうするか。とても挑戦的なものでしたが、落とし穴もたくさんありました。ですが、私たちが大好きなジャンルに貢献したいという思いでずっと話し合ってきました」

ライアンさんは、どちらかというとダークな人間の暗黒面を描いた映画が多かったような気がしますが、今回のセバスチャンの役は少し今までとは少し違うと思います。ライアンさんのどのようなところにセバスチャンの素質を見つけたんですか? という質問に、監督は「ライアンさんという俳優はなんでもできる素晴らしい俳優というところがひとつあります。対応性があります。おっしゃるようにダークなサイコパスみたいな役もやっていますが、『ラブ・アゲイン』(2011)とか『ラースとその彼女』(2007)のような楽しくロマンチックな役もやっています。

なんでもできるだけでなく、非常に映画の知識も豊富で、ミュージカルや音楽に対しても情熱を持っていて、深い愛情も持っています。つまりこういう映画をやるのに必要な素質を全部持っていたと思います。素晴らしい役者さんでもあるので、この役を立体的に描けると思いました」

監督の意見についてライアンさんはどう思いますか? と聞かれライアンは、「彼の今の台詞は僕が原稿を書いたんだ」と言って笑いを誘い、「できればもっと情熱的に台詞を言ってほしかった」と付け加えました。

叶う夢もあれば叶わない夢もある

監督とライアン
不安の時代を反映してこのような美しい映画に癒しを見出しているのでしょうか? という質問に「これについては僕たちもいろいろ話をしたのですが、確かにミュージカルには他にはない楽しさや楽観的な感じがあって、ミュージカルならではのエクスタシーや高揚感のようなものがあると思います。と同時に、現実的で正直なストーリーが必要だと思ったんです。つまり叶う夢もあれば叶わない夢もあるといったような。そういうところが人々に訴えかけたのではないかと思います。またこの作品はミュージカルとして幻想的な部分とストーリーのリアルな部分の組み合わせがうまくいくといいなと思っていたのですが、多分私たちが思っている以上に観客はすごく楽しんでいただけたのではないかと思います」

ライアンさんは「最初から監督と話し合っていたのは、映画というのは映画館で大勢の人と一緒と共有して一緒に見るものだ、そういうものを作りたいね、ということを言っていたんです。スマホで見るものじゃないね、って。それがこの映画が公開されてから、実際に大勢の観客が映画館に足を運んで一緒に見て、同じ体験をするという素晴らしさをまたシェアしているということ、それを実現できたことは非常に満足感がありますし、他の人と一緒に僕もこの映画を見るというその体験が素晴らしいと思っています」

いろいろな映画のオマージュがあるこの映画ですが、まだ誰も気づいていないシークレットなオマージュがあったら教えてください、という質問に、「無意識にはいろいろな映画のオマージュがあると思います。というのもいろいろな映画を研究して、いろいろな映画の思い出の中で泳ぎながら作っていたところがあるので。古い映画も新しい映画もあります。実は昨晩、日本に来て日本の方とお話をしていたのですが、鈴木清順監督の『東京流れ者』(1966)の影響は入っていませんか? と聞かれたのですが、自分では気づいていなかった。もちろん、アメリカの観客の誰一人として気づいていないと思います」と答えていました。

『ラ・ラ・ランド』は、2月24日(金)より公開中です。また結果が気になる第89回アカデミー賞に発表は、2月27日(月)日本時間で午前10時からの予定です。

(文/取材 オライカート昌子)

ラ・ラ・ランド あらすじ・作品情報

ラ・ラ・ランドあらすじ
ロサンゼルスで、ミアは女優を目指していた。映画スタジオ内のカフェでのアルバイトのかたわら、オーデションに参加する日々を送っていた。ある日、とあるバーで、セバスチャン<ライアン・ゴズリング>を見かける。彼はピアノを弾いていたが、その演奏に心を奪われたミアは、声をかけるが無視されてしまう、自由にピアノを弾いたため、セバスチャンは、そのバーの仕事を失ってしまったばかりだった。その後別の場所で偶然出会う二人は、互いに気になる存在となる。セバスチャンはいつか自分の店を持ち、本格的なジャズを思う存分演奏したいと願っていたし、もちろんミアは女優としての成功を夢見ていた。果たして二人は夢をかなえることができるのか。二人の関係はどうなるのか。

ラ・ラ・ランド 作品情報
監督:デイミアン・チャゼル
CAST ライアン・ゴズリング/エマ・ストーン
脚本 デイミアン・チャゼル
上映時間 128分
製作国 アメリカ
配給会社 ギャガ/ポニーキャニオン
公式サイト http://gaga.ne.jp/lalaland/
2月24日 TOHOシネマズみゆき座他全国ロードショー