2018年に日本公開された映画で、ぜひ見ていただきたい映画をベスト10形式で選出しました。今回は外国映画編です。

10位 ヴァレリアン 千の惑星の救世主


今回選んだ2018年ベスト10映画で唯一のコミック原作、SFアドベンチャー映画。原作は、ジャン=クロード・メジエールの伝説的グラフィック・ノベル『ヴァレリアンとローレリーヌ』シリーズ。監督は『LUCY/ルーシー』などのリュック・ベッソン。

まずは、オープニングから感涙。デヴィッド・ボウイの楽曲『スペイス・オディティ』にのって描かれる人類の宇宙進出と様々な宇宙人との友好シーンが楽しすぎる。スペース・オペラ的な面白さは、『スター・ウォーズ』一作目に出会った時のような感覚。

宇宙連邦捜査官、ヴァレリアン役のデイン・デーハンは、ゆるめのおちゃらけたキャラを明るく演じ、相棒のローレリーヌ役のカーラ・デルヴィーニュの生意気さが心憎い。リアーナが演じるバブルの健気さ、可愛らしさ。そして驚異的なダンスシーンもみどころ。

9位 ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ


全米で9館公開からサプライズヒットとなり、アカデミー賞脚本賞ノミネートされた実話をもとにした異文化ラブコメディ。素敵な女性のエミリーに出会い、意気投合したのはいいけれど、なかなか本気まではいかないパキスタン人移民のクメイル。家族からはパキスタン人女性とのお見合いをせっつかれる。それがエミリーにバレて、とうとう別れることに。ところが、突然、エミリーが謎の病気でこん睡状態に陥ってしまう。

最悪な状態が素晴らしい贈り物になり得るという人生の秘密を描く、見逃せないラブコメディ。

『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』映画レビュー

8位 フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

子供のころは、全てが輝いていた。大人になると夢物語は消え、難問が山積しマジックは消えてしまう。

フロリダ、ディズニー・ワールド近辺にある安モーテルに暮らすシングルマザー、ヘイリーとその6歳の娘ムーニー。ヘイリーはモーテル代の工面にも困っているけれど、ムーニーを守り愛することには全力を尽くす。その心を知ってか知らずか、ムーニーは友達とイタズラばかり。

リアルで哀しい物語なのに、広々としたフロリダの景色と色彩豊かにスクリーンに広がるな魔法のような時間が、いつまでも心に残る。映画の凄さを改めて感じさせる作品です。

7位 ウインド・リバー

『ボーダーライン』(2015)、『最後の追跡』(2016)<未>の脚本家として、アメリカのフロンティア(辺境)の過酷な現実を描いてきたテイラー・シェリダンが脚本だけではなく、監督も兼任。

『ウインド・リバー』では、インディアン居留地での少女の殺人事件を新進FBI捜査官と、地元ハンターが真相を追っていきます。驚愕のラストは悲しみだけではなく、人間の強さやたくましさが忘れがたい作品です。

6位 パディントン2


マイケル・ボンドの児童小説シリーズ『パディントン』の実写映画化二作目は、気持ちがなごむ優しい佳作となりました。

一作目の『パディントン』でペルーの山奥からやってきた礼儀正しいクマのパディントン。ブラウン家に迎えられ、ロンドンでの生活を楽しんでいたパディントンですが、思い出すのは、故郷のルーシーおばさん。おばさんにプレゼントを贈りたいと、飛び出す絵本見つけます。ところが、その本は世界に一冊だけのもの。買えるだけのお金をためる前に盗まれてしまいます。しかも、犯人と間違えられ、捕まえられ牢屋に。

その苦境を優しさやユーモアでの乗り越えていく様子は、元気を与えてくれます。

5位 ボヘミアン・ラプソディ

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

2018年後期の大ヒット作、『ボヘミアン・ラプソディ』は、音響や臨場感の素晴らしさでも、ぜひ、劇場で見て欲しい作品。クイーンの楽曲やバンドの成り立ちもみどころですが、フレディ・マーキュリーと周囲の人々との人間関係も忘れがたさのひとつ。

宗教や父の教え「善き思い、善き言葉、善き行い」を守ろうとする意思と迷い。メアリーとランプで意思疎通するシーンの孤独など。そして最後のライブ・エイドのシーンの力強さに熱い思いが湧き上がってきます。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』記者会見詳細レポート

4位 クレイジー・リッチ!


レイチェルは、ある日ボーイフレンドのニックから、故郷シンガポールでのいとこの結婚式に一緒に行こうと誘われる。それが大騒動を招く。なぜなら、レイチェルは知らなかったけれど、ニックは、スーパーリッチの御曹司、だれもが結婚を夢見る相手だったから。

『クレイジー・リッチ!』は、単なるシンデレラストーリーではない、優しい気持ちを掻き立てられる一作です。

『クレイジー・リッチ!』映画レビュー

3位 リメンバー・ミー


メキシコの死者の日を舞台にしたピクサー映画の『リメンバー・ミー』は、極彩色の美しいスクリーンと、名曲、そして意外なストーリー展開が感動を呼びます。

ある理由で家族から音楽に触れてはいけない、靴職人になれと言い渡されている少年ミゲル。だけどミュージシャンになる夢は捨てられない。そんなミゲルが死者の国に迷い込み、家族の絆を取り戻します。

2位 判決、ふたつの希望


『判決、ふたつの希望』は、レバノン映画として初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品。レバノンの首都、ベイルート。ささいなことで口論したレバノン人の男トニーと、パレスチナ人の水道工事現場監督ヤーセル。罵倒の言葉がエスカレートし、暴力事件にまで発展。それが、いつしか国を二分する大問題に発展してしまいます。

判決の結果がどうなるのか、スリリングな面白さと、知らずに複雑な中東の歴史を教えてくれる奥の深さ。そして感動の結末。見逃せない作品です。

1位 パッドマン 5億人の女性を救った男

(C)2018 パッドマン 5億人の女性を救った男

アルナーチャラム・ムルガナンダム氏の実話をボリウッド映画ならではの抜群のストーリーテリングで描く感動作が『パッドマン 5億人の女性を救った男』。

ラクシュミにとって一番大切なのは、妻の喜び。ある日、妻が生理の時に汚い生地を使っていることを知り、高い生理ナプキンを買うことに。ところが高すぎるということで、妻は使わない。だから、工夫して自分で作ることにしたのだが、うまくいかない。タブーもあり、変人扱いされ、ついには村を追い出されてしまう。そんな彼がどのように世界を変えていくのか。

ラクシュミの壮大なサクセスストーリーは、勇気と優しさを与えてくれます。

(選/文 オライカート昌子