2014年も残り少しとなりました。今年もトップムービーのベスト10を発表いたします。その一回目の今回は、エンターテイメント性が高い作品や全国で広く公開された作品の中からベスト10を選出しました。 お正月にみんなでワイワイ見るのにぴったりなベスト10です。

10位 ザ・レイド GOKUDO

全米でもスマッシュヒットを記録した『ザ・レイド(2012)』の続編で、インドネシアを舞台にした格闘技アクション。前作に引き続き、ギャレス・エヴァンス監督、主演はイコ・ウワイス。松田龍平、遠藤憲一、北村一輝など日本人キャストがヤクザ役で出演している。すでに、三作目も製作決定ずみ。次から次へと繰り出される質の高いアクションに注目。

9位 イン・ザ・ヒーロー

特撮映画などでヒーローや悪役に扮するスーツ・アクターの世界を映画愛に満ち溢れた映像で描いた作品。主演に元スーツ・アクターの経験がある唐沢寿明。彼が演じるベテランスーツ・アクター本城渉と、人気若手俳優、一ノ瀬リョウ(福士蒼汰)との交流を軸に描く、感動作。

8位 ウォルト・ディズニーの約束

アカデミー賞5部門受賞のディズニースタジオの名作ミュージカル『メリー・ポピンズ』の誕生の実話を『しあわせの隠れ場所』のジョン・リー・ハンコック監督が映画化。ウォルト・ディズニー役にトム・ハンクス、『メリー・ポピンズ』の原作者、P.L.トラヴァース女史役にエマ・トンプソン。

かねてから『メリー・ポピンズ』の映画化を切望していたウォルトだったが、原作者トラヴァース女史の許可を得ることは難しかった。というのも、メリー・ポピンズの物語には、彼女の幼少期の父親との関係が反映された個人的で貴重なものが隠されていたからだ。トラヴァース女史のために最大級の歓迎と心づくしで映画化の実現を図るウォルトの熱意に感動させられる。ラストに実際のトラヴァース女史の音声が流れるところにも注目。

7位  LIFE!

ベン・スティラー監督、主演のアドベンチャー・コメディ。日々が退屈で灰色な気分になっていたら、ぜひ鑑賞して欲しい。ワクワクさせてくれるだけでなく、清涼感もたっぷりある作品。ダニー・ケイ主演の『虹をつかむ男』をリメイク。過去映画のオマージュたっぷりに描いている。

雑誌ライフに勤めるウォルターは、白昼夢ではヒーローだが、現実には気になる女性に声もかけられない平凡なサラリーマン。雑誌の最終号を飾るはずのネガが見つからず、旅に出ることに。その旅は彼の人生を変えるものだった。

6位 ラッシュ/プライドと友情

『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞監督賞を受賞したロン・ハワード監督が、F1の伝説的なレーサー、ニキ・ラウダとジェームズ・ハントの宿命のライバル関係を描いた。当時のレースの模様を忠実に再現し、刺激に満ちた戦いの世界が繰り広げられる。

天才肌のジェームズ・ハントを演じるのは、『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワース。頭脳派のニキ・ラウダを演じるのは、『イングロリアス・バスターズ』などのダニエル・ブリュール。男たちのドラマに心が熱くさせられる。

5位 インターステラー

『ダークナイト『『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督が挑んだのは、理論にのっとったハードSFで親子愛を描く壮大なストーリー。ビジュアル一つ一つの完成度やストーリーの感涙度も高い、先行作品のオマージュが組み込まれていることも嬉しい。近未来の滅亡に瀕した地球から、新たな居住可能な惑星を探索する任務に携わることになったテスト・パイロットのクーパー。彼は再び家族と会うことができるのか。

主演は、2014年の男というべき、マシュー・マコノヒー。娘のマーフを年代別に三人の女優が演じ分けている。大人のマーフは、ジェシカ・チャスティン、老年時代は、エレン・バースティン、マイケル・ケイン、アン・ハサウェイ、ケイシー・アフレック、トファー・グレイスなど実力派が多数出演しているのにも注目。

4位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

全米で圧倒的な人気で興行収入年間一位を獲得した、マーベルコミック原作作品。今までのマーベル作品とはちょっと違う、お茶目で妙に懐かしさを感じさせるスペースオペラだ。極彩色の映像と、憎めないやんちゃなならず者集団が暴れまくる。

『スクービー・ドゥ』シリーズやリメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』のジェームズ・ガン監督作品。主演のクリス・プラットは、『ジュラシック・ワールド(2015)』にも主演。ほかにもゾーイ・サルダナ、ジョン・C・ライリー、グレン・クローズ、声の出演に、ヴィン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパーなど主演級が大量出演。『ホビット』シリーズでエルフ王スランドゥイルを演じ、あでやかな姿を見せてくれたリー・ペイスは、こちらでは歌舞伎風のメイクで悪役ロラン役。

3位 LEGO(R) ムービー

実際にレゴブロックで作ったようにしかみえない精巧で圧倒的なビジュアルで大人でもワクワクさせられるアドベンチャー。レゴブロックに触ったことがある人もない人も、心から楽しめる作品に仕上がっている。監督は『21ジャンプストリート』シリーズや『くもりときどきミートボール』シリーズのフィル・ロードとクリス・ミラー。『21ジャンプストリート』のコンビ、ジョナ・ヒル、チャニング・テイタムがそれぞれ、グリーン・ランタン、スーパーマンに声を当て、おかしなやりとりをする。

レゴブロックにあるキャラクターは、ガンダルフからバットマン、エイブラハム・リンカーン、ハン・ソロなどが登場。お仕事大王にウィル・フィレル、賢者ウィトルウィウスにモーガン・フリーマン、グッド・コップ/バッド・コップにリーアム・ニーソン、主役のエメットに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラット。豪華な声優陣にも注目。

2位 ホビット 竜に奪われた王国、 ホビット 決戦のゆくえ

(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.
(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.

2012年12月に『ホビット 思いがけない冒険』が封切られた後、今年の2月に二作目の『ホビット 竜に奪われた王国』が公開。そして12月に『ホビット 決戦のゆくえ』で3部作が幕を閉じた。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズとは違い、もともとは小さい子供向き作品で、で決して長くはないJ・R・R・トールキン作の『ホビットの冒険』を、3部作という長大な映像化作品として完成させたピーター・ジャクソン監督に拍手を送りたい。

原作で起こるイベントは必ず含まれているものの、膨らませて、深みをプラスし、ピーター・ジャクソンの決定版として世に出したことに驚かされた。ホビットのビルボ一人が主役の映画ではなく、ガンダルフ、トーリン・オーケンシールド他12人のドワーフたち、それぞれの存在感が強く浮かび上がった友情の物語として姿を変え、大人も感動できる物語となっている。

1位 ゴーン・ガール

(C)2014 Twentieth Century Fox
(C)2014 Twentieth Century Fox

デビッド・フィンチャー監督作品として最大のヒット作かつ、評価の高さもうなぎのぼりの本作は、脚本、カメラワーク、語り口全てが端正に整えられた満足度の高い作品。ブラックなミステリーでもあり、男女の真実を意地悪な視線で描いているところも心憎い。

最初と最後のシーンが同じロザムンド・パイクの美しいアップで描かれている。当初は主演がベン・アフレックということに個人的には違和感を抱いたのだが、見終わってみると配役の見事さにも驚かされた。ベン・アフレック以上に納得させられるキャストは考えられない。監督の円熟技能を心から堪能させられた。
 (選出/文 オライカート昌子)