2010年外国映画ベスト5映画ランキングを発表します。

5位 アイスバーグ!
トップムービー2010年外国映画部門ベスト映画5位にランクインしたのは、ベルギー出身の道化師カップル、アベル&ゴードン監督・主演の長編映画第一作目。映画界に何のつながりもなかった二人は、出品できる小さな映画祭を探し、作品を出品し続けたとのこと。

フランスの中堅映画チェーンのmk2の目に留まり、フランス公開。ついには日本でも二作目の『ルンバ!』と併せて公開されることになりました。

同じくベルギー出身の画家ルネ・マグリットのイメージにも似た飛躍したサイレント・ギャグで描かれる新感覚あふれるアクション・コメディです。

2005年 ベルギー映画/87分/監督:ドミニク・アベル、フィオナ・ゴードン、ブルーノ・ロミ/出演:ドミニク・アベル、フィオナ・ゴードン、フィリップ・マルツ、ルーシー・ルーシー・トゥルガリュク
アイスバーグ!同時上映ルンバ!公式サイト

4位 あの夏の子供たち
トップムービー2010年外国映画部門ベスト映画4位は、カンヌ国際映画祭<ある視点>部門審査員特別賞を受賞したフランス映画『あの夏の子供たち』がランクインしました。

独立系の映画製作者の苦労はどこの国でも同じ。この映画では製作中の映画を残したまま命を絶ってしまうプロデューサーと残された家族の再生の物語が描かれます。モデルは実在のプロデューサー、アンベール・バルザン。

元女優、映画批評家のミア・ハンセン=ラヴ監督は実体験からこの映画を描きだし、世界中に感動の渦を巻き起こしました。夏のパリの美しさにも練られたせりふの一つ一つにも注目。

2009年 フランス映画//監督:ミア・ハンセン=ラヴ/出演:キアラ・カゼッリ、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン、アリス・ドゥ・ランクザン、アリス・ゴーティエ
『あの夏の子供たち』オフィシャルサイト

3位 息もできない
トップムービー2010年外国映画部門ベスト映画3位にランクインしたのは、韓国映画の『息もできない』。

自主映画として一人で監督・脚本・製作・主演をつとめたのは、インディーズ映画の俳優として活躍してきたヤン・イクチュン。魂を揺さぶられる、文字通り息もできないほどの緊張感にあふれた作品。第10回東京フィルメックス 最優秀作品賞&観客賞ダブル受賞は史上初。

昨年の3月からの現在まで異例のロングラン公開中す。

2008年韓国映画/130分/監督:ヤン・イクチュン/出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン
『息もできない』公式サイト

2位 怪盗グルーの月泥棒 3D
怪盗グルーの月泥棒 3Dは、原題は『Despicable Me』。唾棄すべき、卑劣な自分という意味で、そんなひねくれた題名からも一般的な子供向けアニメーションではないことが見受けられます。

大きな犯罪を企てる泥棒が、孤児の3姉妹を引き取ることで卑劣かつ唾棄すべき自分をどのように打ち破るのか、ハートウォームなストーリーで高い評価。トップムービー外国語映画部門2位にランクインしました。

総評
ここ数年、殆どのハリウッド・アニメが3Dになる中、飛び出し感が最も強かったのがこれ。

主人公が中年のオッサン(しかもハゲ?)で、悪役風のルックスだという点が意表を突き、私好みのヒーローだった。グルーのライバルやバナナで出来たミニオンたちの個性が強く、3姉妹の存在感が薄かったのが残念。シリーズ化すると面白いかも。

2010年 アメリカ映画/95分/監督:クリス・ルノー、ピアー・コフィン/声の出演(日本語吹替版):笑福亭鶴瓶、山寺宏一、伊井篤史ほか
『怪盗グルーの月泥棒 3D』公式サイト

 1位 インビクタス/負けざる者たち
トップムービー2010年外国映画部門ベスト映画1位の栄冠はクリント・イーストウッド監督作品インビクタス/負けざる者たちに輝きました。

アパルトヘイト撤廃後に行われたラグビーワールドカップ南アフリカ大会の奇跡を描いた実話感動スポーツ作品。イーストウッド監督の手腕、撮影の美しさ、ネルソン・マンデラ大統領を演じるモーガン・フリーマンの貫禄の演技等、見所の詰まった傑作。

総評
実話ということで興味深かった一本。マット・デイモンとモーガン・フリーマンというキャスティングも成功していたと思う。寡黙なチーム・リーダーの心の内に秘めた情熱に感動した。ただ、手堅い作りで意外と地味。スリルやエンタテインメントに染めようという意図はなく、ただマンデラの信念に敬意を表する作品に感じられた。

2009年 アメリカ映画/134分/監督:クリント・イーストウッド/出演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン、トニー・キゴロギほか
『インビクタス/負けざる者たち』オフィシャルサイト