『不思議惑星キン・ザ・ザ』
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クーーーーーーーーーーーーッ! 
謎の脱力SFがデジタル・リマスターで帰ってきます。

妻に頼まれ夕飯の買い物に街へ出た建築技師ウラジーミル・マシコフに、「あの人が変なことを言っています」と音大生のゲデバンが助けを求めてきます。
浮浪者のようなその男は、自分は空間転移装置の事故で異星から飛ばされてきた者で、自分の星に帰りたいと2人に話します。そんな話など信じないマシコフは、男が持っていた“空間移動装置”のボタンを押してしまい、キン・ザ・ザ星雲の惑星ブリュクに飛ばされてしまうのでした。
この惑星ブリュクでは、なぜかマッチが貴重品。格差も厳しく、貧しき者は富める者に対して、怪しげなポーズに“クー!”という奇声を発して挨拶しなければならない(ここでは土下座並に屈辱的な挨拶のようです)。果たして二人は、この砂漠だけの惑星から無事に地球へ帰りつくことができるのか?

ゲオルギー・ダネリヤ監督が制作したディストピアコメディ・SF映画。
その後世界中でもカルト的な人気を獲得している一作です。
1本の映画でありながら全2章構成というのも珍しい。途中でいきなり用語解説が挟まれる映画なんて初めて見ました(笑)。

※チャトル=パッツ語小辞典
カツェ:マッチ
ツァーク:鼻用小鈴
エツィフ:囚人ボックス
エツィロップ:権力者
ペペラッツ:宇宙船
グラビツァーパ(加速器):宇宙船モーター部品
キュー:公言可能な罵倒語
クー:残りの表現全部

……言葉も文化も違う世界で珍道中を繰り広げていく、終始超不条理なSFコメディ。個人的にはだらだら見て楽しむタイプの映画だと思いました。
異星人とのやり取り、そして異星の飛行艇や地下都市のデザインが秀逸なので、こういう奇妙な世界観がツボな人にはオススメ。
旧ソ連時代に作られた作品なのもあってか本作には貧富の差や身分制度による差別要素があり、当時のソビエト社会を皮肉ったかのような描写もちょくちょく見られます。
権力や金がモノを言う共産主義に対する皮肉が込められているかのような気がします。

(中野 豊)

公式サイト:http://www.kin-dza-dza-kuu.com/