『96時間/レクイエム』映画レビュー

 © 2014 Twentieth Century Fox
© 2014 Twentieth Century Fox
一作目の『96時間』は、連れ去られた娘を救い出すために暴走する父親の姿が胸を打った。2作目の『96時間リベンジ』では、父と母が拉致され、救う鍵を握るのは娘キムの方だった。そしてシリーズ三作目の『96時間/レクイエム』では、最悪の危機が家族を襲うことになる。

父は警察に殺人の容疑者として追われ、離婚した元妻にも娘のキムにも、魔の手が襲い掛かる。ストーリー自体もスケールアップ。本シリーズで、アクションスターとしても堂々とした地位を確立したーアム・ニーソンが、再び父親ブライアンを演じている。格闘、スパイの超絶技術はさらに冴え、三度のカーチェイスも含めたアクションシーンもワクワクさせられる。

このシリーズ、監督のオリヴィエ・メガトンもフランス人だし、製作・脚本のリュック・ベッソンもフランス人。近年のリュック・ベッソン監督・製作作品は、小粒ながらエンタメ要素を凝縮したつくりで定評がある。だが、今までは、『LUCY/ルーシー』にしても『コロンビアーナ』にしても特にフランス独自色があるわけでもなかった。だが、この『96時間/レクイエム』に関しては、フランス風味が加味されている。パンダのぬいぐるみ、ベーグルパン、ストロベリーヨーグルトなどが映画に色を添え、殺伐としたなかにも多少キュートな雰囲気が映画を彩る。

よりホームドラマアクションというジャンル色も濃くなっている本作。全米では大ヒットとなった一作目、二作目に続き、旋風を巻き起こすのかも気になるところ。 (オライカート 昌子)

96時間/レクイエム
2014年 フランス映画/サスペンス・アクション/109分/監督:オリヴィエ・メガトン/出演・キャスト:リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレイス、フォレスト・ウィテカー他/配給:20世紀フォックス
2015年1月9日、
TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
96時間/レクイエム 公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/96hours/