(C)2011 SNOOT ENTERTAINMENT, LLC
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今年公開のホラー映画はいつにも増して掘り出し物が多いように思う。その中でも『サプライズ』はピカイチのおもしろさ。シーン一つ一つを丁寧に作り上げ、新しい怖さを感じさせ、ラストの爽快感が最大の持ち味だ。期待の若手監督、アダム・ウィンガード作品。

『サプライズ』は、若い女と中年の男の愛を交わすシーンからスタート。スタイリッシュさと、それとは場違いの恐怖描写が入り交じる。カメラワークが個性的で、音楽の使い方も秀逸。音楽一つでここまで表現力に広がりがでるのかという驚きがある。

次のシーンは、別のカップルがドライブしているところ。さらに中年のカップルが田舎の屋敷に到着し、あの恐怖の使者はいつ現れるのかやきもきするこっちの気持ちを裏切るかのように、家族の再会の描写がのんびりと進む。

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そして襲撃。その後は、ジェットコースターに乗ったかのような、恐怖描写が畳みかけてくる。怖いだけでなく味のあるシーンが多いのでじっくり味わってほしい。

熊や狼のかぶりものをかぶっていた襲撃者の正体は、比較的早くわかる。いつしか恐怖の対象が変わってきてしまうところが、他の映画にはない独特な仕掛けである。

テーマがはっきりしているし、見終わった後にはかなりスッキリとする。ストレスがたまっている人には特におすすめ。サプライズ一つで、相当な爽快感を味わえると思う。ホラーは見たくないと食わず嫌いをしていたらもったいない作品なのである。(オライカート昌子)

サプライズ
2011年 アメリカ映画/ホラー・サスペンス・ミステリー/94分/原題:YOU’RE NEXT/監督: アダム・ウィンガード/出演・キャスト:シャーニ・ヴィンソン(エリン)、ニコラス・トゥッチ(フェリックス)、ウェンディ・グレン(ジー)、AJ・ボーウェン(クリスピアン)、ジョー・スワンバーグ(ドレイク)、マーガレット・レイニー(ケリー)、エイミー・サイメッツ(エイミー)、タイ・ウェスト(タリク)、バーバラ・クランプトン(オーブリー)ほか/配給:アスミック・エース/R15+
2013.11.14(木)TOHOシネマズ六本木ヒルズ他 全国ロードショー
『サプライズ』公式サイト http://surprise.asmik-ace.co.jp/