赤ずきんの画像
(C)2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
みどころ満載ながら犯人探しストーリーがぴか一

推理小説が大好きな人なら犯人探し映画を読み解くのが得意だろう。私もその一人だと思っていた。暇さえあれば推理小説を読み漁っているのだから、ちゃんと手がかりさえあれば、犯人を見つける自信はあった。『赤ずきん』を見るまでは。

『赤ずきん』は、村一番の美人ヴァレリーの恋模様や、田舎ながらの密な人間関係、凝ったビジュアルなどみどころも多い。でもやはり、村を襲う狼の正体を探るのが本筋のストーリーだ。

狼は当初は漠然とした怪物めいた存在だ。単なる野生の獣のようにも思われる。高名な狼ハンター、ソロモン博士が登場し、思いがけない狼の真実が明かされる。徐々に狼は、おぼろげな姿から、実在する村人内の一人として、はっきりとした輪郭を持った存在として出現する。

スリリングな展開は別として、当の主人公のヴァレリーは、村の危機より自分の恋の行方の方がずっと大事だ。頭の中はほぼ恋に占領されている。若い女の子らしく

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リアルな若さの描き方は、大人気シリーズ『トライライト』の一作目『トワイライト~初恋~』で乙女の心をがっちりつかんだキャサリン・ハードウィック監督の得意とするところ。『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』でも、『ロード・オブ・ドッグタウン』でも優れた若者描写力を発揮していた。

中身はふにゃふにゃした自信のなさを強がりで武装しているような危ういティーンの現実。それを自然に描写できるハードウィック監督の力量は確かなものだ。ただ『赤ずきん』に関しては、その力量が100パーセント発揮できていたかは、疑問が残る。『赤ずきん』は、若者の生態を活写する映画ではなく、狼の正体を探るサスペンスなのだから。

犯人探しのストーリー自体は成功している。見ている最中には、この人が犯人かも?この人だったら嫌だなとか、いろいろ想像するものだが、果たして当たるか当たらないかは、お楽しみ。ただし、ちゃんと手がかりはある。

犯人が判明したあと、映画は別次元に飛躍したかのような違う趣に変わる。そのときには、犯人探しのストーリーだったことなんてどうでもよくなって、別次元の映画の余韻を楽しめるのだから面白い。

2011年 アメリカ/カナダ映画/100分/監督:キャサリン・ハードウィック/アマンダ・サイフリッド、ゲイリー・オールドマン、ジュリー・クリスティ、ビリー・バーグ、シャイロー・フェルナンデス、マックス・アイアンズほか、
『赤ずきん』オフィシャルサイト
2011年6月10日(金)丸の内ピカデリー他 全国ロードショー
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