『ハリー・ポッター』シリーズは、完結編にして大傑作シリーズと姿を変えた

ハリー・ポッター ポスター
2011 Warner Bros.
Ent. Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R. Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and (C)Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
原作の小説もそうだと思うが、映画も、『ハリー・ポッター』シリーズには熱狂的なファンがいる反面、そこまでではない、見てもいいけどそこまで傑作なのだろうかと、醒めた目もある一般的ファンの、二極化した観客がいたと思う。双方の観客の支持を得て、空前絶後の壮大なシリーズが幕を閉じる。

まず、完結までもっていった底知れないエネルギーに拍手をしたい。メインキャストはほぼ同じ(ダンブルドア校長が代わったのはご存知の通り)十年もの長期シリーズ、当初は、完結までの原作も発表されていなかったのだから、この先どうなるなるのか、製作陣も雲をつかむようにスタートしたのだと思う。


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それが幸せなことに齟齬もなく、中断もなく、全作品が支持されヒットし、キャストも健やかに成長し完結までたどり着いた。最初は子供向け?と思えるような典型的な魔法ファンタジーだったのが、ハリーの天敵ヴォルデモートが復活した『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』から(同時に現監督のデヴィッド・イェーツが担当するようになってから)、どんどん陰鬱な雰囲気となり、大人も納得のダークテイストなファンタジーと趣を変えていった。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』は抜群に面白い。シリーズの持ち味でもある、魔法を使ったワクワクする場面はちゃんとあるし、戦いの場面は、まるで『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』さながら。

シリーズ全体の謎も伏線も、ちゃんと回収される。その上、もうひとつの影のストーリーが姿を現す。どんな物語にも登場人物の数だけストーリーが隠れているとは思う。だがシリーズ最終回に至って、それが合わせ鏡のように浮かび上がるのには驚いた。

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大人の観客には、もうひとつのストーリーと、もう一人の主人公の方が、ずっと興味深く感じられるはずだ。『ハリー・ポッターと賢者の石』から全作品を見直したい、と強く思う人も多いと思う。

だが一番のみどころは、全8作で主役を張ってきたハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフが最終話で見せてくれる、圧倒的な演技力だ。最後の方の場面では、迫力もあり美しくもある類まれな表情を見せてくれる。

そこまでの成長を見越して彼を配役したとしたら、キャスティングディレクターの眼力に恐れ入るしかない。だが、本人の努力と献身がなければ、シリーズを背負い続けることもできないし、ここまでの成功もなかったはずだと思う。シリーズは最終話にして、大ヒットシリーズだけではない、傑作シリーズと呼ぶべき称号を手にできたのではないだろうか。(オライカート昌子)

これが、最後。
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』
7月15日(金)丸の内ピカデリー他全国ロードショー<3D/2D同時上映>

公式サイト:http://www.deathly-hallows.jp
ワーナー・ブラザース映画配給