(c)2013 Twentieth Century Fox.
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 『ウルヴァリン:SAMURAI』ほど大々的に日本ロケを行った作品は、ハリウッド大作では初めてではないだろうか。日本パートでも違和感を感じる部分がほとんどなく、リラックスして楽しめる一作である。

冒頭のシーンで、長崎での原爆投下を描くなんて、監督の相当な本気度がうかがえるではないか。現代の場面に移ると、アラスカの山中でホームレス同然となっているローガン(ウルヴァリン)が登場してくる。彼が日本に来るのは、昔の知人に呼び出されたため。それ以降はずっと日本が舞台である。

増上寺での大がかりなアクションシーンに目を奪われ、ヒュー・ジャックマンが秋葉原を走ってる!上野駅の前にいる!バスに乗ってる!と、ふしぎな心持ちになっているうちに、すっかり話に引き込まれてしまうはずだ。

新幹線での戦闘シーンの見事なこと。私は叫びださないように、ずっと口を押さえていた。列車アクションシーンにこれほど興奮するのは、スパイダーマン2のシカゴ高架鉄道ののシーン以来だ。

(c)2013 Twentieth Century Fox.
(c)2013 Twentieth Century Fox.

そういえば、スパイダーマン2で、スパイダーマンは能力を失ってしまうが、ウルヴァリン:SAMURAIでのローガンも治癒能力を失いかける。どちらの作品もマーベルコミックスが原作である。

スパイダーマン2の話がどんどん壮大になっていくのに比べ、ウルヴァリン:SAMURAIでは、ローカルな方向にストーリーが収束していく。日本独特の整えられた箱庭的宇宙での家族の物語となっているところがユニークだ。

そんな端然たる小宇宙を、コミックヒーローの中では最も野獣的なウルヴァリンが駆けまわる。その組み合わせの妙がなぜかとても心地よく感じられた。

(オライカート昌子)

ウルヴァリン:SAMURAI
2013年 アメリカ映画/125分/原題:THE WOLVERINE/監督:ジェームズ・マンゴールドロ(ナイト&デイ (2010) 、3時10分、決断のとき (2007) 、ウォーク・ザ・ライン/君につづく道)/出演:ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリン)、真田広之(シンゲン)、TAO(マリコ)、福島リラ(ユキオ)、ハル・ヤマノウチ、ウィル・ユン・リー ほか/配給:20世紀フォックス

2013年9月13日(金)TOHOシネマズ日劇他全国ロードショー
公式サイト http://www.foxmovies.jp/wolverine-samurai/

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