(C)2013 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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年をとると、若いときの心情を忘れてしまう。友人とのばかげたやり取り、小さなことで一喜一憂していた気持ちを。あのころの、もろくて揺れやすい心を思い出させてくれるのが、マーク・ウェブ監督の「アメイジング・スパイダーマン」シリーズだ。

一作目の『アメイジング・スパイダーマン』は、アクションと青春恋愛模様をうまく融合させ、爽やかさを最後まで持続させた作品だった。二作目の『アメイジング・スパイダーマン2』も同様だ。衝撃のラストを迎えるまでは。

一作目と呼応するように、二作目の冒頭でも、ピーター・パーカーの両親の姿が描かれる。飛行機アクションで引っ張られるうちに、現在のシーンになり、スパイダーマンの空中スイングで心が浮き立ってくる。

ピーターは、その日高校の卒業式を迎えている。だが、主席のグゥエンが、卒業生を代表して行うスピーチは見逃してしまう。卒業証書の受け取りにはあわやのところで間に合う。卒業を喜び会う陰で、ピーターは、グゥエンと別れるべきではないかと密かに悩んでいる。前作でのグゥエンの父との約束もあるからだ。ピーターとグゥエンの二人を描くタッチは軽やか、かつ細やかで、青春そのものの姿に見える。

敵役に、アカデミー賞受賞者、ジェイミー・フォックス、アカデミー賞ノミネートのポール・ジアマッティの二人の実力者、そしてブレイク必至の若手実力派、デイン・デーハンが登場する。ジェイミー・フォックスは人付き合いが苦手な冴えない技術者から怪人エレクトロへと華麗な変身を見せる。

だが一番の見所は、ハリー・オズボーン役のデイン・デーハンのダークな存在感に違いない。美しく、ひ弱な少年から、生き残るために醜い悪の化身への変貌を自ら選びとり、スパイダーマンに襲い掛かるさまは、哀しくもあり、怖ろしくもある。

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少し前のシーンでは、ピーターとハリーの旧友同士の再会が描かれた。最初はぎこちなく、やがて心が通じ合った日々を思い出し、二人は心おきなく微笑を交しあう。だが、二人の屈託のない日々は、あっけなく消えてしまう。彼らは、何かを選び、その代償を支払わなくてはならない。それは、大人になることの象徴のようにも思える。

ハリー・オズボーンが、悪にためらわない大人になったとき、ピーター・パーカーも青春を捨てざる得なくなる。傷つきやすい若さから脱皮し、鋼の心根を育んでいかなくてはならない。

変化の時を、アメイジングスパイダーマン2は、残酷に描き切る。いつまでも気楽で自分勝手な若者ではいられない。それはみんな同じだ。私たちは、誰もが大人の世界に押し出されていく。 (オライカート昌子)

アメイジング・スパイダーマン2
2014年4月25日(金)より、TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー!
アメイジング・スパイダーマン公式サイト http://www.amazing-spiderman.jp/site/