王になった男画像
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韓国で大ヒットを記録したイ・ビョンホン主演の宮廷絵巻。病床の王に代わって影武者を命じられた平民の男が、本物をしのぐ王となっていく物語。監督は『拝啓、愛しています』のチュ・チャンミン。共演は、『神弓』のリュ・スンリョン、『ただ君だけ』のハン・ヒョジュら。

噂に違わず面白い。本物の王は、朝鮮第15代王の光海君。暗殺の危機にある彼は常に緊張と警戒で、暴君と成り果てている。が、彼が瀕死の床につき、瓜二つの道化師ハソンが影武者に選ばれる。勿論、このことは宮中の一部の者しか知らない。

王になった男
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王の仮面を付けながらも平民であるハソンは女官や武将たちに思いやりを持って接し、慈愛に満ちた態度を取り、民の視線に立った政治を行う。光海君の人格豹変に気づいた連中は当然、調査開始。気づかれないよう必死の側近ホ・ギュンとハソン。人のいないところでは上下関係が逆転するため、たびたび慌てふためく様子が笑いを誘う。王妃が、偽者と気づかないまま次第にハソンに心を開いていく過程も重要だ。

そして、まだ年若い女官を救おうとする一連のエピソードにも胸を打たれる。実に盛り沢山の内容ながらバランスがよく、見所が尽きない。やがて王の側近たちは、ハソンが玉座に上がってから周囲が明るくなり、皆が彼を尊敬し始めていることに気づき始める。「もしや、これは本物よりイイのでは?」…側近たちは口には出さずとも、心の中で自問自答。そんな中、本物の王が回復の兆しを見せ、復帰する日が近づいてくる…。

前半はコメディタッチで後半はサスペンス。二役を演じるイ・ビョンホンが魅力的だ。宮廷の豪華さ、たびたび登場する小豆粥をはじめとした料理の数々など、人物以外の主役も沢山。面白さにあっという間の131分だった。 (池辺 麻子)

王になった男
2013年2月16日(土)より 新宿バルト9、丸の内ルーブルほか全国ロードショー!
公式サイト http://becameking.jp/