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楽しさ満載のパイレーツ・オブ・カリビアンが帰ってきた。前作の『パイレーツ・オブ・カリビアン/命(いのち)の泉』(2011)は、ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)とエリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)が出てこなかった。カオスだったし哲学的で、爽快感も足りなかった。今回の『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』は、そんな不満を吹き飛ばす、痛快ファンタジー冒険映画だ。

登場人物は、ジャック・スパロウ船長(ジョニー・デップ)を始め、呪いをかけられた父を助けるために、”ポセイドンの槍”を探しているヘンリー・ターナー(ブレントン・スウェイツ)、唯一、ポセイドンの槍のありかを探す方法を知っている女性天文学者カリーナ・スミス(カヤ・スコデラーリオ)、魔の三角海域の呪いで閉じ込められているサラザール船長(ハビエル・バルデム)、金持ち海賊バルボッサ船長(ジェフリー・ラッシュ)。

五者が入り乱れ、パズルのように敵対と団結を繰り返す。このシリーズでしか見ることができないダイナミックな海戦シーンや、陸の上の大掛かりなアクションシーンも期待値を大きく上回る。ウィル・ターナーとエリザベスも顔を出す。

呪いにかかった海賊たちや、呪いを解くポセイドンの槍、呪いの海が登場してくる。映画のテーマは、ズバリ”呪い”。物語の目的は、呪いを解くこと。すっきりしていて、わかりやすい。シンプルさは第一作目並みだ。

スパイスとしてのおどろおどろしさと、おもちゃ箱のような色彩で、気味の悪さはコーティングされている。宿命の重さはじっとりとした実在感がありドラマに奥行きをもたらしている。

主な舞台は、魔の三角海域。そこに入ってしまえば魔法にかけられ、破壊され、死がもたらされる。そこに近づいたヘンリーたちは、サラザールたち亡霊のような一団に襲撃されるが、ヘンリーだけは、ジャック・スパロウへの伝言の使者として生き残る。海賊殺しとして一世を風靡したサラザールが呪われることになったのは、若き日のジャック・スパロウのせいだったからだ。恨みを持つサラザールはジャック・スパロウを付けねらう。

一方、ジャック・スパロウは相変わらず無責任で軽妙洒脱。残念ながら、魅力で言えば、ヘンリーなど第二世代に軍配が上がる。CGと無名の新人(アンソニー・デラトーレ)で作った若き日のジャック・スパロウは、相当チャーミングで鮮やかな印象を残す。もしかしたら、今後作られる『パイレーツ・オブ。カリビアン』シリーズは、多少小粒かもしれないけれど、若き第二世代をメインにした方がいいのかもしれない。年をとり、若さを失うのは、人間にとって最大の呪いとも言える。そして、それは今のところ解くすべのない”呪い”でもある。

(オライカート昌子)

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
7月1日(土)全国ロードショー
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