スーパー・チューズデー ~正義を売った日~の画像
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人は変わる。状況によって。年を取ることによって。知りたくないことまで知ってしまうことによって。いざ、そんな状況に陥るまでは、そんな風に変わってしまうことなど本人に言っても信じないだろう。

『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』は、面白くてエッジが効いていてシニカルな政治サスペンスだ。それだけでなく、一人の純粋な青年が、厚顔無恥な一人前の大人になっていく反面教師的な成長物語でもある。

面白さの一つは、政治や選挙の世界の隠された裏側をチラリと見せてくれるところ。駆け引きや罠、闇取引が横行する隠された世界をフィクションという砂糖菓子で包んで提示してくれるのだ。上に立つということは、自分にも周りにも多大な犠牲を払うことでもあるのだろう。

人は変わるだけではなく、いくつもの顔を持っている。万華鏡のように角度によって見える姿が変わっていく。そんな人間の本性を的確にシャープに、そして大胆に描いた手腕も素晴らしい。この作品はジョージ・クルーニーの自信あふれる野心作だ。

一つ一つのシーンが実に丁寧に描かれている。アンサンブルキャストの見事さも、監督がジョージ・クルーニーだからこそ可能だったのだろう。選挙を戦う参謀を、二陣営の片方をフィリップ・シーモア・ホフマンが演じ、もう片方をポール・ジアマッティが演じている。両者が舞台の袖で睨み合う場面の豪華なこと。

切れ者の副参謀を演じるのは、間違いなく若手ナンバーワンのライアン・ゴズリング。同日公開の『ドライヴ』とはまた違った魅力を見せてくれる。今が旬の人気俳優の演技は絶対見逃せない。 (オライカート昌子)

スーパー・チューズデー ~正義を売った日~
2011年 アメリカ映画/101分/監督:ジョージ・クルーニー/出演: ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティ、マリサ・トメイ、ジェフリー・ライト、エヴァン・レイチェル・ウッドほか/配給:松竹
2012年3月31日(土) 丸の内ピカデリー他にて全国ロードショー
公式サイト http://supertuesday-movie.com/