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よく賛美されるものの、若さは素晴らしいだけのものではない。大人になりきれない中途半端な時期で、すごく居心地が悪かった時もあれば、ブザマな気分になったこともあったはずだ。私も高校時代に親と離れて暮らしていたし、いろいろ複雑な日々だった。『ウォール・フラワー』は、思い出の中の弱くてもろい場所にパンチを食らわせる。

ウォールフラワーは、直訳すれば壁の花。高校に入ったばかりのチャーリーは、卒業までの日数を数えて過ごしている。姉もいるし中学時代の知り合いもいるけれど、独りぼっちだ。話しかけても相手にされない。授業中、答えがわかっても手も挙げない。

おどけぶりが気になっていた上級生に、勇気を持って話しかけたとき、チャーリーに転機が訪れる。フットボールの観戦中で、「隣に座れば」と、ごく自然に言われる。

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その結果、彼は居心地のいい仲間、自分の好きなことを追求する自由を手にする。その過程がとても印象的だ。チャーリーを仲間に入れてくれた上級生たちは、学園カーストに属さない、変わり者たちだった。

音楽に夢中になり、好きな曲を好きな人に聞いてもらいたくて奔走する。ささいなことが、胸に刺さる。哀しい過去やどうにもならない想いに彩られ、ストーリーは時に不協和音を奏でるが、ラストには、そのアクセントも効いてくる。

高校時代には苦い思い出も多いよね、なんてレベルではなく、他の人には想像もつかない重圧を抱えている人もいる。でもそれもまとめて「生きる」ってこと。『ウォールフラワー』は、あの日々の価値を新たな光で照らしてくれる。瑞々しく胸に刺さる青春映画なのである。  (オライカート昌子)

ウォールフラワー
2013年 アメリカ映画/青春・ドラマ/103分/原題:THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER/監督:スティーヴン・チョボスキー/出演・キャスト:ローガン・ラーマン(チャーリー)、エマ・ワトソン(サム)、エズラ・ミラー(パトリック)、メイ・ホイットマン(メアリー・エリザベス)、ジョニー・シモンズ(ブラッド)、ポール・ラッド(ミスター・アンダーソン)、ケイト・ウォルシュ、ディラン・マクダーモット、ジョーン・キューザックほか/配給:ギャガ
11月22日(金)TOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラスト渋谷他順次公開
『ウォールフラワー』公式サイト http://wallflower.gaga.ne.jp/

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